MRIに吸い込まれる【子宮筋腫の検査⑤】
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(3話完結なもんで)
2019年12月のある日
いよいよ私の運命を決める
磁気共鳴画像を撮影する時が来ました
「お腹が動くと画像がきれいに映らないんで」というこの検査技師の言葉が、後々私にとんでもない結果をもたらすことになってしまいました。MRIのように途中ストップするのが激的に難しい検査においては、しっかりと自分の意思(状態)を伝えられるタイミングで伝えておかないと後々とんでもない事態に見舞われます。
背中のあたりで検査着がシワになってゴロゴロしてるとか・・鼻の頭が痒いとか・・頭の位置がなんとなく違うとか・・
「そんなこと言っては検査の準備の妨げになるかな」や「そんな些細な事でピーピー言うなよ」と思われたらどうしようとか「これくらい我慢できるから大丈夫かな」などと考えたらアウトです。
MRI検査の時の「たかだかこのくらい」の感じを放っておくのは危険です。しっかりと「よし大丈夫」といえるくらいに解決しておかないと泣きをみます。たとえ閉所恐怖症でなくても狭い空間で身動き一つできない状態にされるという事はかなりのプレッシャー。現に私は閉所恐怖症でも何でもなくどちらかと言えば広い空間のほうが落ち着かないタイプなのですが、「たかだかこのくらい」を完璧に解消せずにMRIに吸い込まれてしまったので呼吸の仕方がわからなくなりました。単純明快な「吸って・吐いて」ができなくなった。ああ怖い。
子宮筋腫がどうなっているかの画像撮影ですので骨盤周りを固定します。極力腹部が動かないように幅のあるベルトで締められ、たしか板みたいなのも乗せられたかなー・・・。とにかく、呼吸で腹部が上下に動かないように鉄壁な対策を取られるんですね。
そして本番。グイーンと装置に吸い込まれる。SFっぽーい♪とか思えたのは一瞬だけ。けたたましい金属音が鳴り出しました。防音のために耳栓をしていますが、それでもグイグイと耳に入って来るんですよ音が。
ゼネコンが手掛ける工事現場ランクの音
宇宙船の中で緊急事態が発生した時の音
うちのワンちゃんが胃液をリバースする時の声
ガガガガガガガッッッ
ドンドンドンドン
ファンファン
ビービービービー
うぇっ ぉうげぇぇ ぐぉぅう
注:聞こえ方には個人差があります
もう♡と一瞬吹き出しそうになったうちのワンちゃんの胃液リバース音。そう聞き取れてしまったのですよ、私の耳には。大音量の音に関しては特に恐怖を感じることなく聞き入っておりました。すごいなあと。ああこれが磁気共鳴なのかと。でもまさかの機械音の中にうちのワンちゃんの胃液リバース音。ウケましたよ。なので動きましたよ腹部が少し。まずい。私は「お腹が動くと画像がきれいに映らないんで」と技師さんからくぎを刺された身の上でした。そんな私の腹部が動く。
あれぇ?息してよかったんだっけ???
いいんですよ息しても。でも異空間で変な音を聞きながら身動き取れない状況下にいると、極端なクエスチョンが飛び出してくるんですよ脳内から。このほんの少しとはいえ極端な疑問が災いを招き、肺呼吸なら腹部は動かないよね? ⇒ 極力静かに息をしよう ⇒ 呼吸が浅くなる ⇒ やばい!息を吸おう ⇒ でも息を吸ったらお腹が動く ⇒ まずい検査が中断してしまう!・・・と、思考も身体も大パニック&大ピンチ。自分で自分を恐怖に陥れました。
もう思い切って画像をメチャクチャにして怒られながらスタート地点に逆戻りするか、このまま息をせずに人生を終えるか、どっちにするべきか「うわぁぁぁぁっっ!」っとなっていたらMRIの電源がOFFになり、いったん清々しくて落ち着いた世界に戻されました。ギリギリのところで人生終えずに済みました。
思う存分深呼吸を楽しんでいた私に何か話しかけてきていた技師さんですが、耳栓している私にあなたの気持ちは伝わってきません。適当に相槌打って濁していたら、再度装置に吸い込まれてしまいました。MRIの検査の時に「適当」は論外です。うわ!やばい。もう一つの願い叶わず装置の中に逆戻り。
酸素の担保もしたかったんですけど、鼻の頭も掻きたかったんです・・・
呼吸ができないのもかなり辛かったんですが、痒い鼻を掻けない辛さもなかなかのレベルです。だからみなさんMRI検査の時は十分注意して。やるべきことはしっかりやっておきましょう。したい気がなくても必ずトイレに行っておく。搔きたい鼻の頭もしっかり掻いておく。そして呼吸は普通にしても大丈夫です。そのために腹部に板を乗せるのですから。人生と引き換えにするほど悩まなくてもいいんです。鼻から吸って鼻から出す。腹式呼吸をしなければいいんです。
私の中ではすったもんだになったMRIの検査でしたが、特に撮り直しを迫られる事なく無事終了。30分程度だったでしょうか。また狭い更衣室でジタバタ着替えて検査室を後にする。
MRI検査の診断結果は後日改めて。さあこの結果を見て虹の柄の靴下先生がなんと診断下すか楽しみ。次の予約日はクリスマス・・・。サンタさんからのプレゼントは、ゲームでも縫いぐるみでもバッグでもなく子宮筋腫のMRI画像。夢もワクワクもないクリスマス。随分大人になりました。
まだこの時は新型コロナの事なんて知る由もなく、どこもかしこもギュウギュウと行列作って受付もお会計もこなしていた頃。前後左右気にすることなくコンビニに立ち寄ってサンドイッチを買って帰りました。
検査結果で恐ろしいこと言われませんよーにと思いながら帰宅した2019年12月の話です。
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